85:一年中が田上の季節[sage saga]
2011/10/03(月) 10:53:21.21 ID:Ay6ywUVh0
親友を失った喪失感。親友をこの手に掛けてしまった罪悪感。彼女のその後の人生を奪ってしまった悔恨の念。
あらゆる負の感情が、唯をこれ以上ない程に苦しめる。この身が引き千切られる様な苦しみに、唯はソレから逃れる様に慟哭する事しか出来なかった。
こんな事があるかもしれないと、母にこの話を聞いた時に覚悟はしていた。していたつもりだった。でも、まるで覚悟が足らなかったとでも言う様に、親友をこの手で殺めてしまったショックが唯を苦しめ打ちのめした。
こんな事なら、自分が律に殺された方が良かった。自分が律より弱ければ良かった。こんな苦しみを味わう事は無かった。ただ、自分が死ぬだけで済んだ。と、唯は思う。
そして唯は、泪で腫れぼったくなり、くしゃくしゃになった律の返り血に塗(まみ)れた顔を上げ、もう何も言わなくなった律の抜け殻の顔を見つめる。
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