過去ログ - 垣根「しょたなおれとー」麦野「お姉さん」
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◆H0UG3c6kjA
[saga]
2012/05/28(月) 21:05:04.93 ID:Qk+A4Vt/0
寝ぼけ眼で麦野が何となしに天井を見上げると、明るい色合いの髪の毛が見えた。
何だていとくんか、などと思いつつ目を閉じて、小さな手が自らの手を撫でる心地よさにしばし甘える。
ふにゃ、などとどこぞの女子の様な声を漏らしながら、麦野は小さく身じろぐ。
柔らかな髪を撫でて、垣根はぼんやりと意識を飛ばす。
元同僚の少女とは別物である香水ではない女性特有の甘くて良い匂いに目を細めつつ、垣根はその見目にまるで似合わない挙止動作で、麦野の頬に口付けた。
優しい口付けは、厚意を示すもの。
少しずり下がり、幼い身体で、麦野の腕に口づける。
甘い口付けは、恋慕を示すもの。
再びずり上がり、首筋へと、そっと口づける。
細やかな口付けは、執着を示すもの。
「…麦野」
「…ていと、くん?」
「…っはは、やっと普通に話せるようになりやがったのかよ。…長かった」
「……、…?!」
事情も状況も理解出来ず目を見開く麦野の様子を眺めながら、垣根は意地悪く笑った。
今までの子供らしい可愛らしさと愛らしさに満ち溢れた幼い笑みではなく、まるで垣根帝督本人の様に、否、本人らしく、喉を鳴らして低く笑った。
そんな笑みを見つつ、かつての訳も無く湧き起こる苛立ち、もとい好意の裏返したる悪意を宿したあくどい笑顔を浮かべて、麦野は垣根を抱きしめる。
非現実的過ぎる。そんな訳がない。そんな風に警告してくれる自分の脳内をまるっきり無視して、垣根の頭を数度撫でた後、そっと口付けた。
頬へ、そっと柔らかく。
「…垣根?」
「…そうだ」
「…垣根、なのね」
「そうだっつってんだろうが。もう耳が遠いのかよ、やっぱりババアだな」
「殺す」
「はははは、怖ぇな」
「……、…ずっと、逢いたかった。話したい事も、いっぱいあった。なのに、出てこない。不思議だね。おかしいな。浜面に罵詈雑言ぶちまける時は、もっと沢山出てきていたのに」
おかしいな、と繰り返しながら。ぽたぽたと。
麦野の頬を伝っていった涙が、枕に落ち、そのまま染み込んでいく。
八つ当たり気味の暴言を吐いてやるつもりだった。
それとは逆に、大好きだとも伝えたかった。
ずっと逢いたくて、ずっとずっと、気が遠くなる位想い続けていた。
初めてぶつかりあった、暗部抗争のあの日から。
バラバラのミンチにされ、機械化された垣根を見ても、それでも変わらず、麦野は垣根が好きだった。
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