過去ログ - 垣根「しょたなおれとー」麦野「お姉さん」
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28:合甘  ◆H0UG3c6kjA
2011/09/14(水) 20:44:41.22 ID:NWt1wMRP0
香水瓶一つで、自分がここまで動揺するだなんて思わなかった。
確かに香水瓶自体は箔が付くというか、希少性でいえばかなり高価だろうけど、そもそも私の金銭感覚ではさしたる値段じゃない。
それでもみっともなく取り乱してしまったのは、言葉通り、好きな人―――垣根帝督との、唯一の繋がりだから。

麦野「馬鹿じゃねぇの、ちょっと話した位で、闘り合った位で、一丁前に第二位のオンナ気取りか」

自嘲の言葉を吐き捨てても、気持ちは一向に変化してはくれなかった。
もやもやとした感情が胸と胃の間辺りでぐるぐるともたついて、吐き気が込み上げてきた。

麦野(何で、こんなに好きになったんだろう)

ほぼ無傷で負かされたからなのか、実力に見合った余裕に惹かれたのか、はっきりした理由なんて分からない、よくよく考えたって理解する事なんて出来ない。
嗚呼、これじゃ第三位のクソガキを馬鹿にしてきた人間とは思えない、愚の極みだわ。


垣根『まぁまぁ、そう熱くなるなよ第四位、メイク落としたら可愛い顔が台無しだ』

麦野『ちっ…余裕ぶっこいてんじゃねぇぞ、クソ第二位がっ…!?』

垣根『だから熱くなるなよ、息上がるぞ?ん?』

麦野『…ぜ、っは…テメ、何、し…っ』

垣根『素粒子大の未元物質を制御出来るんでな、今第四位は気管にちょっとしたしこりのある状態だ』

麦野『……っく、ぅ…ナメ、やが、って…!!』

垣根『安心しろ、俺が脱出したら解除して呼気と一緒に吐き出させてやるからよ。…ま、今度会ったらデートでもしようぜ』

麦野『げほっ…う…』

垣根『…最も、もう会う事も無さそうだが。残念だ』



麦野「……ま、本当に会う事無かったけどね」

あれから、語るにも長すぎる程に沢山の出来事があった。
浜面にも幾度となく負かされた、でも、私はずっと垣根だけを好きでいた、忘れる事は無かった。
それは何故か、明確な理由は…やはりわからない。
本当に残念そうな微笑を浮かべながら私の髪を一撫でだけして去っていった姿が、今も網膜に焼き付いている。
あの時は色々とどうかしていたからあの動揺は全て苛立ちによるもの、第二位を殺せば解決すると勝手に結論付けていたが、恐らくあの時から、私は、ずっと。

麦野(デート、しようって、言ったじゃない)

あまりにも理に適わない呟きを、誰かに聞かれている訳でもないのに飲み込んだ。
感傷的な気分なんて、もう今夜は寝る事で忘れてしまおう。

麦野「っ、ふ…ぐすっ…うっ…ひくっ…」

…忘れて、しまいたいのに。


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