936:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2012/06/15(金) 23:01:33.54 ID:BuSy30a4o
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「まあ最後まで聞きなさい。
相談者の息子が立て続けに二人亡くなった。同じ場所で、同じ死因で。
息子は絵を描くことが好きで、たまたま相談者が彼の最新作を目にしたところ――」
脳裏に、佐伯(兄)の部屋の光景がフラッシュバックする。
「幽霊みたいな姿の、彼の友人が描かれていたそうよ。
他には、地獄の釜みたいになってる用水路や水場の絵――」
「――あ、でもその年頃の男の子って、物騒なモチーフの落書き大好きですよ。髑髏とかドラゴンとか」
「でも、さすがに友達の幽霊はないよ……」
志乃が重たい口を開く。
どこか諦めているように見えた。
「春海、長野君と話してたじゃん。いじめられた子の復讐がどうこうって」
それは断片にすぎない。
そう言っていたのは長野の妹のクラスのオカルトかぶれの女子だ。
僕は、朝のやりとりを説明した。
「無関係ってわけじゃなさそうね」
お義姉さんが髪をかきあげ、そのまま頭を掻く。
(じっちゃん……)
「関係大ありでしょ」
志乃もそれを真似する。
(はじめちゃん……)
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