942:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2012/06/18(月) 23:28:30.94 ID:XrBxEj7Mo
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「あああ、今、指がいっぱいある手がもがいてた」
「やだ、気づきたくなかったのに」
ひとしきり、キモいキモいと騒ぐ。
お義姉さんは、こんなのと一人で向き合い続けてきたのか。
「あなた達、文句言ってないで手掛かりの一つでも見つけなさいよ」
「と言われましてもー」
志乃は欄干にもたれ、上を向いた。
「お義姉さん、ここに、最初に亡くなった子はいますか」
長野の話を思い出した。
――初めに死んだ子の呪いだって言ってる。復讐だって。
彼が呪っているなら、ここに留まっているはずだと思った。
彼女は川の中を凝視する。
僕はしたくない。
「ここには――いないわ。念のため、あの世に行ってないか照会かけてみる。亡くなった子たちの名前を教えて」
僕は控えていたメモを千切って渡した。
お義姉さんは「ありがと」と短く言って受け取ると、何やらメールを打っていた。
(あの世ってハイテクー)
地獄行きにさえならなければ、死後の世界はそれなりに快適そうに思えた。
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