965:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2012/07/07(土) 00:22:44.43 ID:3Qf5vXwlo
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お義姉さんの舌が、僕の腕の表面で動く。
とがった牙が露出した肉に触れると痛みが走る。
僕は大人しく、棒立ちでこらえている。
「あの、これで立てなくなったりします?」
知り合ったばかりの頃、肩に手を置かれただけで精気を一気に吸われて足腰立たなくなったのを思い出した。
「手加減してあげてるのよ」
「ぬうぅ……」
志乃はうつむいて手をかたく握っている。
(いかん。志乃が殺意の波動に目覚めそうだ)
「お義姉さん、志乃の機嫌が悪いです」
「怒ることないじゃない。誰にでもしてることよ」
「わ、わかってる……」
「なんですって?」
志乃が弾かれたように顔を上げる。
「でもやっぱり春海はだめー!」
僕のもう一方の腕を掴んで、ひったくるように抱きよせる。
「少子化の世の中で、貴重な若い子なのに……」
「他! 他を当たって!」
「な、なによ。人間ってこうなの?」
「こういうもんです。特に男女は」
「はぁー、めんどくさいわね」
お義姉さんは名残惜しそうに僕の手を離した。
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