967:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2012/07/07(土) 00:24:14.17 ID:3Qf5vXwlo
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―――――事件現場の川―――――
緊急車両の停まっていた件の橋の上を歩く。
子供が二人命を落としたという、件の橋の上を歩く。
それだけで気分が沈む。
志乃は少し早足だ。
橋の向こうに、見覚えのある顔の子供が見えた。
(あれは依頼人の……?)
足にツタがからまり、動けないようだ。
それに、引っ張る力にふんばって抵抗しているように見える。
「あれは――」
いらいにんのむすこ、と口が動く前に、志乃が駆け出していた。
「やめろおおおおおっ!」
女とは思えない叫び、咆哮だった。
「だめっ! 待ちなさい!」
お義姉さんも完全に出遅れていた。
志乃はわき続けるツタや触手を手づかみでぶちぶちと引きちぎる。
(なんでいきなり……?)
「だめ! 妹! やめなさい!」
「志乃! 戻ってこい!」
僕らは叫んだけど、志乃は聞いていない。
聞こえていても知ったことかとばかりに子供を呪いから庇っている。
「ああもう!」
お義姉さんは口に手を深々と突っ込んだ。
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