980:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2012/07/09(月) 23:14:24.84 ID:0NGliUKeo
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志乃は今も、あの痛々しい姿のままなんだろうか。
「あの針――」
「あれはね、命の流れを阻害するために刺したの」
「俺が納得できないのはそこですよ。何のためにそんなこと」
「癌っていう病気は、若い人ほど進行が速いらしいわね」
「まあ、そうですけど」
「強い呪いに侵された者は、訳もわからないうちに体中を蝕まれるの。
その傾向は被害者が若いほど顕著になる」
「気付いたら末期」
「そうよ。だからああするのが最善だと判断した」
「疑わしきはとりあえず黒、と」
「ええ。でなきゃ死ぬわ」
彼女はテーブルの上のコップに手を伸ばすと、中身を一気に飲み下した。
そして、不味そうに顔をしかめた。
苛立っているらしかった。
「そろそろ動けるはずよ。シャワーを浴びてきなさい。
あなた、まだ不吉な空気がべたべたまとわりついているもの」
お義姉さんはそう言うと、僕を追い払うように手を振った。
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