過去ログ - イン「トリステイン魔法学院に通う事にしたんだよ!」上条「トリ…なんだって?」
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40: ◆Yr.mgKbo12
2011/09/14(水) 21:48:42.47 ID:SebD2IjN0
―――魔法学院・アウストリの広場―――

昼休み。ベンチに腰掛けルイズは編み物をしていた。
ルイズの趣味は編み物であるが、どうにも何を編んでいるのかよくわからない。一応本人的にはセーターを編んでるつもりだが、もはや毛糸の絡まったオブジェのようだった。

ルイズ(サイト、あのアニェーゼって子となんの話をしてたのかしら)

あの後、才人の様子が変わった。嬉しいような悲しいような、不安なような安心したような。…何かがあった事は間違いないだろう。

ルイズ(それに最近あいつあのメイドとばっかり一緒にいて…)

今のルイズはまるで蚊帳の外状態だった。才人の周りで何が起こっているのか全然わからない。

ルイズ「はあ…」

自分の知らないところで何が行われているのかわからないというのは嫌な気分だ。
と、ため息をつくルイズの肩を誰かが叩く。

キュルケ「なにしてるのルイズ?」

ルイズは慌てて編み物を持っていた始祖の祈祷書で隠す。

ルイズ「ど、読書よ」

キュルケ「ふーん? でもその本真っ白じゃない」

キュルケの言うとおり、始祖の祈祷書の中身は真っ白だった。

ルイズ「これは始祖の祈祷書っていう国宝の本なのよ」

キュルケ「なんであんたがそんなもん持ってんのよ」

ルイズ「それは…」

ルイズは説明を始めた。トリステイン王女であるアンリエッタの結婚式で、自分が詔お読み上げる事。その際この始祖の祈祷書を用いる事、等々。
でも結婚式といっても、これはトリステインとゲルマニアの同盟の為の政略結婚なのだ。
アンリエッタとルイズは知り合いであり、親友とも呼べる関係だ。そんなアンリエッタが望まぬ結婚をするという事もあって一層ルイズは深いため息をつく。

キュルケ「まあ、それはともかく。ルイズ、あなたさっきまで何を編んでいたの?」

どうやらバレていたようだ。

ルイズ「な、何も編んでなんかないわよ」

キュルケ「編んでたじゃない。ほら」

キュルケはルイズが編んでいたオブジェを引っ張り出す。

キュルケ「…何これ?」

ルイズ「セ、セーターよ。いいから返しなさい!」

キュルケ「セーター(笑)。ヒトデの人形の間違いじゃないの?」

ルイズ「そんなの作んないわよ! いいから返して!」

キュルケ「ま、これがセーターとして、一体誰に送るつもり? まあ、一人しかいないけれど」

ルイズ「べ、べつにあのバカに送ろうだなんて思ってないんだから!」

キュルケ「あらルイズ。あたしは誰にとは言ってないけれど?」

ルイズ「うう〜」

キュルケ「ほえないほえない。好きなら好きって言えばいいじゃないの」

ルイズ「す、好きなんかじゃないわ! 誰があんなやつ!」

キュルケ「ふ〜ん? あんたがそう言うのは勝手だけどね。知ってる? あの厨房のメイドとサイト、最近いい雰囲気みたいよ?」

ルイズ「そ、それがどうしたっていうのよ。わたしには関係ないわね」

キュルケ「そうかしら? そういえばあの子がルイズの部屋に向かっていくのを見たわねえ。あら? もしかして今ふたりっきりじゃない?」

ルイズ「ガタッ」

キュルケ「あらぁ〜? 関係ないんじゃなかったの?」

ルイズ「わ、忘れ物を取りに行くだけよ!」

怒鳴って早足に去っていくルイズを楽しそうに見つめるキュルケだった。


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