過去ログ - 櫻子「ひーちゃん!」 向日葵「えっ」
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38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2011/09/14(水) 19:27:57.68 ID:A5SRrbsOo
「な、なにを言ってますの!? どうして手なんか……」

「えー、いいじゃん。よくしてたじゃんか」

「よくって、いったい何年前の話ですの……」
以下略



39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2011/09/14(水) 19:28:28.30 ID:A5SRrbsOo
 でもそれは、小学校に入るよりも前の、本当に昔の記憶だ。

 小学生になって、少し生意気になってきた櫻子は、向日葵が手をつなごうと言っても決してそうしてくれなくなったのだった。

 そのときはちょっと悲しくなったことを思い出した。
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40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2011/09/14(水) 19:29:12.80 ID:A5SRrbsOo
「……自分の足で歩けるんだから、ひとりで歩きなさい」

 当時の逆襲というわけではないが、意図して少し冷たく言ってやる。

 しかし、
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41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2011/09/14(水) 19:30:53.28 ID:A5SRrbsOo
「だだだだ、だめとか言ってませんわ!! どうしてもと言うなら今日だけはつないであげるということも考えなくはありませんことよっ!?」

 興奮しすぎて自分でもなにを言っているのかよくわからない。

 しかし櫻子はオッケーという意図を受け取ったようで、嬉しそうに微笑んだ。
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42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2011/09/14(水) 19:31:36.10 ID:A5SRrbsOo
 その笑顔がまた、向日葵の理性にひびを入れる。

 千歳ではないが、頭に血がいきすぎて鼻血が出そうになってきた。

(きょ、今日だけですわ。そう、櫻子は頭を打ってるんですから、ひょっとしたら転ぶかもしれませんもの。だから手をつなぐのは仕方ない仕方ない仕方ない──────)
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43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2011/09/14(水) 19:32:16.13 ID:A5SRrbsOo
(櫻子の手、なんだか昔と変わらないくらい小さいですわ……)

 怒涛のような言い訳の合間に、ふとそんな思考のノイズが交じった。

(だめ、余計なことを考えては……!)
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44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2011/09/14(水) 19:32:52.80 ID:A5SRrbsOo
 無言のままの、短くて、長い時間。

 だけど、言葉よりもずっと雄弁な、お互いの手の温もり。

 そうしている間中、櫻子は満足げな笑みを浮かべているのだった。
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45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2011/09/14(水) 19:33:46.34 ID:A5SRrbsOo



「ひーちゃんおはよーっ!」

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46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2011/09/14(水) 19:34:31.17 ID:A5SRrbsOo
 この場合、名前の呼び名もおかしいが、それ以上に櫻子が既に身支度を整えて待っているということそのものがおかしい。

 いつもなら向日葵が先に支度を済ませ、いつまで経っても出てこない櫻子を待ちかねて、家に上がりこんで支度を手伝うというのがお決まりのパターンだ。

 普段は面倒で仕方ないのに、急にパターンが変わると、調子が狂ってしまう。


47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2011/09/14(水) 19:35:54.59 ID:A5SRrbsOo
「おはようですわ……」

「ひーちゃん元気ないなあ。病気?」

 そう言って櫻子は顔を近づけ、また額を──────
以下略



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2011/09/14(水) 19:36:46.07 ID:A5SRrbsOo
 昨日の出来事を思い出して、向日葵は思わず飛び退った。

「そう?」

「えぇ……別に心配いりませんわ、櫻子」
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