17: ◆3/LiqBy2CQ[sage]
2011/09/15(木) 20:12:55.71 ID:+wTNpPwyo
――高校時代、大学時代、そしてちょっとだけ最近の話にも触れ、少し気まずくなり、逆に中学時代の話に触れようとしたりもして。
そんなこんなで本当に止まることのない夜を過ごしていたら、夜明けなどあっという間で。
唯「うわっ、もう7時!?」
紬「あら、本当……」
唯「……どうしよ?」
紬「朝ごはん食べていかない? そろそろ作るから」
唯「うーん……お言葉に甘えたいけど、さすがに旦那さんと会うのは気まずいよ…」
まぁ、それはそうかもしれない。私が招き入れたとはいえ、彼から見れば夜中に家に上がりこむ非常識な客人には違いないのだ。
でも原因は私。唯ちゃんを悪いようにはしたくないし、何らかの形でお礼もしたい。このままサヨナラじゃ薄情すぎる。
紬「じゃあそこのソファで寝たフリでもしておいて? ちゃんと説明はしておくから」
唯「結構投げやりだね。もっといい方法があると思うんだけど…」
紬「目の届く範囲に居て欲しいの。タオルケット持ってくるから待っててね」
唯「私に拒否権はないんだね……」
――寝室にタオルケットを取りに行った時、彼が目を覚ましたので軽く説明して一階に戻る。
横になった唯ちゃんがタオルケットを頭から被ったのを見届け、隣の台所で素早く朝食の準備。彼が起きてしまったという事はもうあまり時間はないけれど、でも唯ちゃんもいるわけだから、と悩んで汁物を作る。
晩夏のこの季節、お味噌汁はまだちょっと早いかもしれないけれど、でも等しい味付けで大量に作れて尚且つ胸を張って唯ちゃんに出せる物、となるとこれしか浮かばなかった。まだまだ主婦としては半人前です、私。
紬「……ん、これくらいかな?」
味見を終え、これで完成。ご飯もちゃんと炊けてる。味付け海苔でも添えて出せば簡素ではあるけど朝食の体は整う。
冷蔵庫にお漬物もあったはず。飲み物は…まぁ、彼にも唯ちゃんにもその時その場で尋ねれば済む話。
彼には申し訳ないけれど今日は愛妻弁当はお休み。ごめんね? 夜からずっと、私の気持ちは唯ちゃんといる時間にばかり向いてるの。これが終わればまた唯ちゃんと話せる。そればかりが楽しみなの。
……なんてね。貴方に気持ちが向いたことなんて、元々一度もないよね。悪いとは思ってるけど、改めるつもりもないから。
紬「……あ、おはようございます――……」
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