過去ログ - マミ「鹿目さん、私のご飯は…?」まどか「昨日食べたでしょ」モグモグ 分岐ルート
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ほむマミ派(回想)
[saga]
2011/09/23(金) 02:40:39.60 ID:Bmf4pftQo
巴マミは小学校6年生の秋、自動車事故で両親を一度に失った。
マミも同じ車に乗っていたがほとんど無傷。奇跡であると思う、良くも悪くも。
家族揃って出かけること自体が稀で、その稀なことの最中に悲劇は起こった。
買い物の帰りで、夕暮れ時。事故の多い時間帯だ。
マミは母親と一緒に選んだ花形の髪飾りを黄金色の太陽光に当て、
様々な角度から眺めてにんまりとし、後部座席ではしゃいでいた。
父親は運転に集中し、一言も喋らない。マニュアル式の古いスポーツセダン。
音はうるさいし、乗り心地も良くない。何より見た目の古さがその時のマミにはすごくイヤだった。
でも。シフトレバーを操る父の左手の動きがなんだか魔法のようで、それは見ていて楽しかった。
「お父さん、それ難しいの?」
「……そうでもない」
父の最期の言葉だ。解釈の余地のある短い言い回しを好む人だった。
物静かな人で、怒鳴られたことは一度もなかった。その頃のマミは行儀の良いほうではなかったのに。
普段かまえない一人娘に対して遠慮をしていたのだろうか。それを確かめることは当然叶わない。
「身を乗り出しちゃダメ。危ない」
助手席に座った母が首だけをマミの方へ向け、多少厳しい口調で言った。やはり最期の言葉だ。
父よりは実のある遺言だったな、と今のマミは少々失礼なことを思う。
言いつけを守らなかったら、マミは同じ場所で命を落としていた。そう、身を乗り出してはダメ。
母に頭を撫でてもらうのが好きで、何度もせがんだ。要求が通りそうなスレスレのタイミングを狙って。
仕方ないわね、という表情から笑顔になり、右手で優しく二度撫でてもらう。心地よかった。
暁美ほむらに無理難題を言うのも、少し似たメカニズムかもしれない。
彼女がギブアップすれば、いつ止めたって構わないのだけど、ほむらが余りに頑張り続けるので、
マミからは止められない状況になりつつある。出来れば、もう少し苦悶の表情を露わにしてもらいたい。
話が逸れた。
マミは母の言うとおりに大人しく座席に座り、髪飾りを愛で続けた。
着ける前に飽きてしまうのでは? というくらいに。色々な角度から眺めて。
ふいに手から髪飾りが滑り落ちた。急いで拾わなくては、とシートの間にマミは潜り込み、
そして、衝撃。
当然、その場で意識を失い、後の記憶はなんとか社会復帰(学校にまた通えるようになる)するまで、
正直曖昧な部分が多かった。脳がマミの心を気遣っていたのだろう。それには素直に甘えた。
フラッシュバックというのは恐ろしいものだということを、それから何度も経験することになったのだから。
マミの命を間接的に救った髪飾りは、今の今まで着け続けている。髪型を変えられないのはそれが原因。
基本的に誰にも触らせることなく、今日までずっと着け続けている。夕日に照らすようなことはもうしないけれど。
「慣れない事はするものじゃない。危険が伴うなら尚更だ」
そんなブラックジョークを頭の中に浮かべ、一人苦笑できるくらいには、事故から時間が経った。
あまりに悪趣味すぎるので、ほむらにも、鹿目まどかにも、勿論そんなことは言っていない。
まどかは「そんな悲しいこと言わないで下さい」と泣き出してしまったろうし、
ほむらは多分怒り出すことが経験でわかっているから。どちらも「少女」の反応だな、とマミは思う。
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