過去ログ - マミ「鹿目さん、私のご飯は…?」まどか「昨日食べたでしょ」モグモグ 分岐ルート
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212:ほむマミ派(さやかは居間で料理を待つように言われました)[saga]
2011/10/02(日) 23:57:27.64 ID:Bu8pJs4AO


「感情移入して欲しくない」


 そういった理由で、仁美が料理を作る所は見せてもらえないらしい。
 さやかは少しだけガッカリした。

さやか(待たされてるとイヤなこと考えちゃうんだけどな……)

 単に料理をご馳走になりに来た訳ではない。
 あくまで試作メニューのモニターとして招かれたのだ。
 わかってはいたのだが、
 一人でいても辛いから仁美の誘いに乗ったのに、などとさやかは思ってしまい、
 さっき笑ったときの感情はあっというまに消え失せた。

さやか(……にしても)

 失礼を承知の上で、さやかは自分が今座っている六畳間を見渡した。

 小さな本棚が一つ。そこには料理に関する本がぎっしりと詰まっている。
 普段であれば、読みやすそうな物を探してパラパラと捲るくらいのことをするのだけど、
 今のさやかにはその気力を望むべくもない。

 テレビはあるけど、観る気は起きなかった。
 観て気分を変えることも出来るかもしれないのに、そのことがなんとなく怖い。
 何故怖いのかわからないのが、また怖い。

 大人しく料理が出来るのを待てばよい。 
そんな囁きをしてくれる人は、今のさやかの近くには居ない。
 表面上はいいお客を演じられているはず、そんな信用のならない励ましは一度聞こえた気がした。

さやか(まどかに酷いこと言っちゃった……)

 突然、大切な友達のことを思い出した。
 先ほどの自分がその友人にどんな態度で接したのかも。

 少し涙ぐむ。あの態度は最低だったな、と思い返して。
 彼女のことを責める筋合いなどなかったのに。……あたしにはなかったのに。
 相変わらずの馬鹿さ加減だ、とさやかは自分のことを声にせずになじった。

 卵をかき混ぜているような音がさやかの耳に入る。
 もう一人のことがすぐに連想された。
 思い出したくない、でも絶対に忘れられない、もう一人。

さやか(ああっ、もう! チクショウ!)

 その叫びはさやかにだけ聞こえた。はっきりと聞こえた。


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