過去ログ - マミ「鹿目さん、私のご飯は…?」まどか「昨日食べたでしょ」モグモグ 分岐ルート
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284:ほむマミ派(振り返る杏子)[saga]
2011/10/24(月) 07:21:46.23 ID:MZm53/7AO


 思い返せば、少女の口から、自分の父親の話が出たことは一度もなかった。

 自分はどうだっただろう? 杏子はこの半年余りを振り返ってみる。


『父さんは融通の利かないところも多いけどさ、あたしは尊敬してるんだ。
 だって、言葉を尽くすことを諦めないできたからこそ、今の家族みんながあるんだし。
 ……まあ、一日の食事がリンゴ半分、ってのはもうゴメンだけどね』

 少女は優しく笑って、こう答えた気がする。

『最後に茶化さなくてもいいんだよ?』

 杏子ちゃんはお父さんのことが大好きなんだね、とも言ったはず。

 まるで自分のことのように喜んでいる少女の姿を見て、杏子は得意気になっていたのかもしれない。


『母さんったら、あたしがピーマン嫌いだ、って言ったら、
 夕食にピーマンの肉詰めを二晩続けて出すんだよ?
 「杏子は挽き肉好きでしょう?」、とか言って、微笑みながら……』

 面白いお母さんだね、と少女は笑いながら、

『……でも、少し羨ましいな。うちのお母さん、私のイヤがることは絶対にしないもん』

『えー、そっちの方が羨ましいよ、あたしは』

『ふふ、そうかもね』

 二人して笑った。


 詳しいことはわからない。杏子には、わからない。

 でも、ひとつだけ、ハッキリとわかることがある。



 あたしは、……あたしは救い難い大間抜けだ。


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