過去ログ - マミ「鹿目さん、私のご飯は…?」まどか「昨日食べたでしょ」モグモグ 分岐ルート
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434:ほむマミ派(鹿目まどか)[sage saga]
2011/12/15(木) 13:12:47.40 ID:LPbjHH+Zo

 鹿目邸 玄関前


「杏子ちゃん、お茶くらい出すけど、寄ってく?」

 鹿目まどかは、わざわざ自分の家まで送ってきてくれた佐倉杏子に対して優しく問いかけた。

「……さっきも言ったじゃん、あたし、明日朝はえーしさ。 ……まあ、ご厚意には感謝すっけど」

 なんだかんだ言って、佐倉杏子という人物は優しい。 そして、とても嘘が下手だ。
 よくこんな演技力で美樹さやかのことを部屋から追い出せたものだ、とまどかは皮肉めいたことを思ってしまう。

「そうだったね。 ……今日は折角誘って貰ったのに、お見苦しいところを沢山晒してしまってすみませんでした……へへ」

 ワザと卑屈に返してみた。 きっと杏子の反応は渋いはず。

「おい、そんな言い方すんな。 あたしはそんなふうには思ってねーから」

 ほら、やっぱり。 実にわかりやすい。

「ごめん、蒸し返すようなこと言っちゃって。 あ、タッくんが杏子ちゃんに会いたがってるのを急に思い出したよ」

 まどかは意地悪な嘘をつく。 弟のタツヤなら、大抵の女性は好きだから、厳密に言うと嘘ではない。

「忘れたの? あたし、昼間タツヤに会ったんだけど? ……それにあたし、あいつと特に話す事とかねーし」

 今度は正直に喋ることにしたようだ。 これ以上は本気で怒り出しそうなので、退くことにする。

「そっか。 杏子ちゃんも気をつけて帰ってね? 今度、必ず鯛焼き買いに行くから」

「ああ、あんがと。 出来たら来る前に電話してな? 焼きたての方がやっぱうまいからさ」

「……杏子ちゃんは優しいね」

「うーん、今のまどかに言われても皮肉にしか聞こえねーなぁ、それ」

「くふふ、そんなことないよ?」

「……おやすみ、まどか」

 そう言って身を翻し、杏子はさっさと歩き去ってしまう。

「おやすみー! 杏子ちゃーん!」

 まどかは大きな声で別れを告げた。 杏子はさっと振り返り、「声でけーよバカ」、と小さく叫び返してくる。

 その慌てぶりを見て、まどかは彼女のことを可愛いと感じた。
 自分の胸の内にもうひとつ渦巻く、形容し難いイヤな感情を必死で抑え込みつつ。


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