過去ログ - マミ「鹿目さん、私のご飯は…?」まどか「昨日食べたでしょ」モグモグ 分岐ルート
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584:ほむマミ派(目撃) ◆CuwcoLXTJ2[sage saga]
2012/07/26(木) 18:48:28.89 ID:gm4fmoEAO


 さやかが実家に戻った時、一番喜んでくれたのは父親だった。

 直接言葉で何を言われたということもなかったが、態度でありありとわかった。 そんな父を横目に、母親は渋い表情。 

『喧嘩しちゃって』

 この一言で済ませてしまえる程、簡単な話ではなかった筈なのに、さやかは家族に対してそれしか説明をしなかった。

 両親からそれ以上の詮索をされることもなかった。 我ながら不誠実だと思ったが、その緩さと心地良さに甘えた。

 もっと、しっかり話さなければならないことが目一杯あったにも係わらず、そんな大切な一つ一つを全て飲み込んで。


 また、溜め息をつく。

 家でも、職場でも、明るく振る舞うように努めてはいたけれど、そろそろ限界に来ていると感じる。

 父も、母も仕事がまだまだ忙しく、顔を合わせる時間が少ないのが救いだ。

 先日はあの女にまで心配されてしまう始末。 だからこそ今日、まず一つを片づけてしまいたい。


 心臓が高鳴る。 駅前の賑やかさが、さやかの全身に沁みわたる。 もう着いてしまう。

 さっきから、地面しか見ていない。 背中を伸ばそうとするが、怖くて出来ない。

 歩道に敷き詰められたタイルの模様が、終点に近づいていることを知らせてくる。


 埒が明かない。 大きく息を吐き、意識して顔を上げる。

 そうして、遠目から見知った姿を確認すると同時に、美樹さやかは再度萎縮してしまった。


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