過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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154:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2011/10/14(金) 22:29:42.79 ID:HfgaLUSPo

 風を切り裂くようにして、姿勢を低くしたキリカがアスファルトの上を黒豹のように駆け抜ける。
 その速度は魔女の巡航速度にも劣らない立派な物だ。
 だがそれでは魔女には敵わない。届かない。相手が魔術師でなければ、魔女は自由に空を飛べるのだ。
 それも童話やアニメに出てくるような、猫の使い魔が四足で立てるふわふわとした生易しい飛行ではない。
 体重を移動させて複雑な機動を交え、フェイントを掛け、上昇したと思ったら垂直降下する泥臭い戦闘飛行だ。
 相手もそれを承知の上なのだろう。後ろに控える織莉子が光球を巧みに操ってこちらの飛行を妨害しようとしてくる。
 振り子のように、いくつもの光球が右に、左に不規則に揺れる。
 魔女がそれを回避しようと上下に回避機動を取ろうとした。

キリカ「はい残念、きみの冒険はここまでだ!」

 その結果、僅かに動きが単調になるのをキリカは見逃さなかった。
 すかさず跳躍。目に見えぬ速度低下の魔法が空間を満たしていく。
 彼女の魔法と鉤爪の餌食となり、一人の魔女が成す術もなく墜落した。

SV(いいコンビネーション。阿吽の呼吸ってやつ?
   いかに予知が出来るとはいえ、あのタイミングでの連携は目を見張るものがあるねー)

 キリカを取り囲む魔女が、彼女目掛けて速度低下の魔法の効果範囲外から火や水、風の刃を作り出して放つ。
 そのいずれもが、キリカの魔法によって速度を極端に落とし、容易に見切られ、あるいは切り伏せられていく。
 しかし攻撃は止まない。
 ある魔女は場の空気そのものを制御する術式を用い、キリカのバランスを崩そうと試みた。
 またある魔女はありったけの魔力で箒に防御術式を掛け、速度を高めて地面スレスレを飛翔した。
 アスファルトがひび割れ、あるいは砕け散り、逃げる場所を失ったキリカが厄介そうに眼を細める。
 その様子を観察しながら、スマートヴェリーは加速して光球を突き飛ばして粉々に打ち砕く。大きな振動。

SV(あー、いたたた……単なる攻撃用の魔法を迎撃するのでこれじゃあ、やっぱ本体を倒すのは結構大変そうだねー)

 手元に残る僅かな痺れに顔を顰めつつ、スマートヴェリーは一旦高度を取ると通信霊装に意識を傾けた。

『どうするスマートヴェリー! 正直コイツらの動きは騎士以上だ、とてつもなく厄介だぞ! お前ならどう攻める!?』

SV「んー、確かに厄介だけど気に病む必要もないっしょー。相手が魔法少女である以上、こっちの勝ちは揺るがないって」

『なんだと!? それは一体どういう――わっまてタンマ! 今はまずっ――!?』

 短い悲鳴の後に、交信が途絶えた。キリカの蹴りでも食らったのだろうか。
 スマートヴェリーはため息を吐くと、箒を握る手に力を込めた。
 さぁ、第二ラウンド開始だ。


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