過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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608:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/22(日) 23:14:20.93 ID:F5gd/ZYKo

 まどかと相対しながら、ローラはわずかに肩をすくめた。
 今頃ステイルたちは魔女に戦いを挑んでいる頃かな、と思いながら口を開く。

ローラ「こちらの詳しい事情とわたしの正体は説明せずとも良きに?」

 ローラの言葉に、まどかは笑みを浮かべて頷いた。

まどか「はい、だいたい分かります。ステイルくんの上司さんですよね?」

 雰囲気が似ています、と付け加える少女に対しローラは軽く目を見張った。
 ステイルとローラの関係は師弟、あるいは教師と生徒のそれに似ている。付き合いだけなら長い方だ。
 彼女はそれを察したのだろう。よく見ている。評判どおり、感受性が豊かなのかもしれない。

ローラ「だったら分かりけるわよね? わたしはステイルほど優しくはなきにつきよ?」

 そう告げながらも、ローラは自身の語調がこれまでにないほど穏やかなことに気付いた。
 ここまで穏やかに言葉を紡いだのは何年振りだろう。紡げなくなったのはいつからだろう。

 イギリスの片田舎で“父”に致命傷の負傷を与えた時。
 そして“取り逃がした”と、本気で後悔した時からだろうか。

 それが今から五〇余年前で……ああ、考えるのも億劫だ。おのれ時間、おのれ老化。

まどか「大丈夫です」

 再びまどかが頷いたのを見て、ローラは満足したように柔和な笑みを浮かべた。
 この状況、このタイミングで優しい声は不安や恐怖を煽り、多少なりとも心を騒がすと考えていたのが。

 まるでぶれない。なるほど、やはり良い子だ。それに強い。

ローラ「ふふん、きっと良い女になりしことね! 今から将来が楽しみたるわ!」

 立派な大人になるだろう。優しい人になれるだろう。それこそ“あの子”のように。


 その姿を自分が見ることは無いだろうけれど。
 せめてあと一〇年、二〇年早く産まれていれば可能だったかもしれないが――見れずに終わる。
 だが、それもまた良し。


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