過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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684:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/02/11(土) 03:36:16.63 ID:ccjk56WPo

「どんな願いであれ、それが条理にそぐわなければひずみが生じたるのは当然よねぇ?」

 語りながら、ローラは“爆心地”へと目を向けた。

「巴マミは命を得れども、他の一切合財全てを捨て
 平凡な少女としての生活を諦めて戦いへと身を投じたるわ
 果たしてその行動に、家族を救えなかった後悔や願いを叶えたる者としての
 ちっぽけなれど立派な正義感や身に余るほどの義務感が無かったとは言い切れねども――」

 でも、それだけだったのだろうか。

「美樹さやかは見知らぬ少女のために契約したりけるわよね。
 結果として少女は助かったけれど、彼女は後に真実に気付き、契約してしまいたことを後悔した」

 そして魔女となった。

「佐倉杏子もまた、願いを叶えた結果。全てを失いて、絶望の淵に追いやられし者になりけるわよね」

 では、暁美ほむらは?
 投げかけられた疑問の声は、しかし答えるものがいないがために宙へ溶け込んで霧散する。
 ローラはかぶりを振って、沈黙を保ち続ける白い獣を睨みつけた。

「願いは契約時に発生したる余剰エネルギーにて遂げられし、因果律の改変」

 それもただの因果律の改変ではない。
 過去の事象を捻じ曲げず、現在の状態だけを捻じ曲げる因果律の改変だ。

 何もかも矛盾しているが、おそらくそれで間違いない。
 呉キリカの自分を変えたいという願いも、美国織莉子の生まれた意味を知りたいという願いも。
 前者はその人格を捻じ曲げ、後者はその使命感を奮い立たせることで人生を捻じ曲げた。

「……過去が捻じ曲げられないのだから、未来が捻じ曲げられるのは当然よね。
 では、暁美ほむらの場合は? 時間遡行という願いが叶えられた彼女に訪れる、捻じ曲げられた未来は?」


 ――――声が聴こえる。無邪気な少女達の、笑い声が。


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