過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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791:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/02/20(月) 04:08:10.46 ID:gOl/dYXso

 分からない、と織莉子は思う。

 何故そうまでして、彼女は暁美ほむらを助けようとするのだ。
 幾多の世界で助けられた恩? 彼女と身勝手な約束を結んだ別世界の自分に対する後悔?
 だが彼女とは関係ないはずだ。彼女は彼女であって、別世界の鹿目まどかとはなんら関係が無い。
 彼女が責任を感じる必要は、これっぽっちもありはしない。

 なのに何故、そこまで出来る。
 
 全身から汗を流し、体中を擦り剥いて、泥だらけの状態で、額から血を流して、涙を目に溜めていながら。
 魔法少女ですらないのに、どうして――?
 疑問が心の中に渦を巻いて広がってゆく。
 そんな時、右隣に並んで立っていたキリカがぼそりと呟いた。

「……時間なんて、関係ないんだよ」

「え?」

「理由も、関係ない。私は織莉子と一緒になってまだ日が浅いけど、一緒になった理由だってくだらないけど」

 だけど、とキリカは喉を震わしていた。
 その視線は、すぐ目の前を走る鹿目まどかに釘付けになっている。

「理屈じゃないんだ。私は織莉子が大好きだ。愛している。だからきっと、彼女も――」

 キリカに倣うように、織莉子もまたまどかへ視線を向けた。
 彼女は頭を突き出すように走りながら、声を大にして叫んだ。


「――とにかく私は、ほむらちゃんを助けたいんですっ!!」


 こちらが出した質問にまるで答えていない。
 だが織莉子は、憑き物が落ちたような表情でキリカを見た。
 今日まで自分についてきてくれた……“美国織莉子”ではなく、“織莉子”についてきてくれた少女の瞳をじっと覗き込んだ。


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