過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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840:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/03/01(木) 02:18:44.23 ID:nPimD933o

 どこまで行っても白と黒で染まった世界。
 白い柱に黒い柱。白いオブジェに黒いオブジェ。

 白と黒で構成された花のような花びら。
 あるいは螺子。
 あるいは歯車。

 そんな世界に用意された、長い長い通路をまどかはひた走る。

 息を切らして、肩を上下させて、脇の痛みに耐えて。
 額から流れ落ちる汗を無視して、舌に纏わりつく粘っこい唾液の嫌悪感を無視して。

 そうして走り続けた末に、彼女は広大な空間に躍り出た。

 目の前に広がる道は三つ。しかし内二つはたった今自分が通ってきた物と変わり映えのない通路に過ぎない。

 自分が進むべき道は向かって左手。

 緑色の光を放つ、非常口を現すピクトグラム。

 その手前にある階段を一歩、一歩、確実に上がっていく。

 やがて彼女は、ピクトグラムの真下にある扉の前までやってきた。

 この向こうに、自分の望む物がある。望む者がいる。

「――――――っ」

 まどかは躊躇わなかった。
 逡巡すらしなかった。
 息が整うことすら待たなかった。

 まどかは扉に手を掛け、その厳重なロックを外して外の世界へ飛び出した。

 同時に、首に掛けられた十字架が怪しく輝いたのだが……まどかもキュゥべぇも、それに気付くことはなかった。



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