過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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871:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/03/18(日) 01:56:52.91 ID:HhynQx1uo

「皆みたいに諦めずに頑張ればきっと奇跡なんて必要ないって、私はそう思うの」

 言葉を紡ぎながらこれまでに出会ってきたたくさんの人の顔を思い浮かべる。
 赤い髪のステイル、破廉恥な格好の神裂、眠そうなシェリーや建宮、五和、香焼……
 それにさやかを救ってくれたツンツン髪の高校生。白い修道服を着たあの少女。
 彼らは皆、奇跡などに頼ることなく道を切り開いてきた。
 だとすれば――

 そんな彼女の決意を嘲笑うように、キュゥべぇ目を閉じて尻尾を振った。

「君は大きな勘違いをしているみたいだね」

 静かに響き渡るその言葉は、灰色の世界を包むように吐き出され続ける嘆きの声に混じって、
 確かにまどかの心に深々と突き刺さった。

「君は彼らとは違う。彼らはそれが可能な世界の人間で、同時にそれだけの素質や努力を重ねてきた人間だ」

 そう言って、キュゥべぇは地面に倒れたままのステイルに尻尾の先を向けた。

「そこで無様に倒れている彼だって、血反吐を吐くような思いで戦い続けてきたんだ。
 君や過去の魔法少女たちは違う。奇跡に頼らなければ道を切り開くことの出来ない存在なんだ」

 キュゥべぇの言うことはもっともだ。
 だからと言って、その言葉を肯定し首を縦に振ることはまどかには出来ない。

「私はそうは思わない。あなたに頼らなくてもどうにかなるって信じてる」

 言い放った直後、背筋がぞくりとしたまどかは身震いし、驚愕を覚えた。
 冷たい何かが首筋に突き立てられているような気分だ。
 もしかするとこういった『目に見えない刃』のような物を殺気と呼ぶのかもしれない。

 だが彼女が驚いたのはその殺気に対してではない。
 その殺気が、キュゥべぇから放たれていることに対して驚いていた。



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