過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
1- 20
884:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/03/18(日) 02:09:49.78 ID:HhynQx1uo

 ステイルには分かる。

 まどかが何故立ち上がることが出来たのか。

 それは彼が何度か体験したことのある現象だった。
 それは彼が何度も目にしたことのある現象だった。

 それは言葉には出来ない、衝動や本能にも似た何かだ。
 身体のどこにでも有ってどこにも無い何かが脈動し、燃えることで起こりうる現象だ。

 その何かは、魂や心と表現することが出来るのかもしれない。
 その現象は、燃焼と表現することが出来るのかもしれない。

 ならばまさしく、それは燃えるのだ。
 身体中を巡る魂が、胸の奥に秘めた心が、激しく燃え上がるのだ。

 例えばそれは、外道の魔術師に対して怒った時。

 例えばそれは、自分の手で一度『殺めた』少女と対峙した時。

 例えばそれは、生命力を削りきってなお誰かのために魔術を行使しようとした時。

 確かに燃えるのだ。

 ……ステイルは見たことがある。

 生まれながらにして不幸であることを運命付けられた、ただのちっぽけな高校生が。
 常人であれば確実に再起不能に陥っているであろう攻撃を受けながら。
 何度も、何度も。
 何度でも立ち上がる姿を。

 確かに彼はその身にただならぬ物を宿していた。普通の人間の想像を遥かに凌駕した獣を飼っていた。
 だが――彼はそんなこととは関係無しに立ち上がった。
 それは、どこにでもいるただの人間が持ち合わせる不可視の力によって成り立つのだ。

 だからステイルは、もう一度繰り返した。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/928.67 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice