過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2011/09/17(土) 02:30:35.67 ID:Wi8XFkb1o

――かつての暁美ほむらは内気で病弱で、自分に自信が持てないただの少女だった。
 そんな彼女を変えたのは、魔法少女のまどかとの邂逅。
 そんな少女を支えたのは、頼れる先輩であるマミとの会話。
 他にも、優しくしてくれたさやかや仁美のおかげで今の自分は成り立っている。

ほむら「――私は、無力だった」

ほむら「そんな無力の私から、ワルプルギスの夜が何もかも奪い去っていった」

ほむら「巴さんも、美樹さんも、志筑さんも、先生も……まどか、あなたもよ」

 自分の声が微かに震えていることに、ほむらは気付いていた。
 しかし彼女にはどうすることも出来ない。震えを抑制することも、胸に秘めた不安をひた隠しにすることも。

ほむら「だから私は魔法少女になった」

ほむら「あなたとの出会いをやり直すために。あなたに忘れ去られてしまうとしても、気持ちや時間がずれてしまうとしても」

ほむら「それでも、あなたのためなら……」

 これまでに繰り返してきた回数なんて、とうの昔に忘れてしまった。
 回数などにさして意味は無い。回数など気にせずとも、彼女達と過ごしてきた“三週間”を忘れることなんて出来ない。
 目を瞑れば、それぞれの時間軸でたくさんの人々が紡いできた言葉や、その姿を思い浮かべることが出来る。

ほむら「どうすれば助けられるのか、どうすれば運命を変えられるのか。その答えだけを探して何度も始めからやり直して」

 ワルプルギスの夜を倒すために死力を尽くし、そして敗れたまどかも。
 まどかと自分を庇うようにして命を落としたマミの最期も。
 魔女となったさやかのことも。
 魔女に至った彼女と心中した杏子の姿も。
 さやかを助けようとして使い魔に魂を奪われた恭介の末路も。
 魔女に操られて集団自殺をやり遂げてしまった仁美の亡骸も。
 彼女は忘れない。
 忘れないが、それでも彼女にはやり遂げねばならない目的があった。

ほむら「まどか、あなたを救うことが、私の願いよ」

ほむら「そしてそれが不可能になった分だけ、私は時間を越えた。時間を越えた分だけ、私はあなたたちを見捨ててきた」

ほむら「本当に……ごめんなさい」

 そう言って彼女は、言葉を失い、黙ったままでいる三人に頭を下げた。
 慈悲深い彼女らが自分を罵ることはないだろう。深く同情し、慰めの言葉を投げてくれることだろう。
 それでも謝りたかった。心の内側からやって来る衝動を、制御できないのだ。



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