過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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955:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/28(月) 03:01:25.42 ID:9M6RkmvRo

 呟きながら、右足を一歩前に踏み出す。
 その足取りは重たい。
 腰も、肩も、体中の筋肉や骨が鉛に差し替えられたのかと思うほどに重たい。

 当然だろう。常人ならとっくのとうに救急車で運ばれてもおかしくない状態なのだ。
 あの男ならどうしただろうか、と考えて、ステイルは意味のない予想をしたことに気付いて眉をひそめた。
 考えるまでもない。あの男なら、きっと自分と同じ事をしたはずだ。

「……ッ!」

 左足を前に出す。重さは変わらないが、それでも気分はいくらか軽くなっていた。
 靴が地面を踏みしめるのと同時に、さらに右足を前に出す。
 重さを気にする心を切り捨てて、ステイルは緩慢な動きで、だが確かに前進する。
 そして黙ったまま正面を見据えて目を細める。

(まるで道化か何かじゃないか)

 口に出すのに疲れて、ステイルは内心で呟いた。

(いや、正真正銘の道化だ。笑えない冗談だ、これはあまりにも――)

 懐から一枚のカードを取り出して目を瞑る。そして腹の底から込み上げてくる衝動に正直に従い、

「これはあまりにも、僕におあつらえ向きの配役だ……!!」

 疲れを無理やり捻じ伏せて、ステイルは不敵に笑いながら言った。
 心の底から嬉しそうに目を見開き、右手の中のカードを空へ向けて放り投げる。
 初歩的な術式による加護を受けてカードは灰色の空を飛び、南の位置で停止。
 やがてカードはゆっくりと下降し、ステイルの目から見て地平線上の位置で静止する。

 それを確認すると、ステイルはもう一度魔女を見た。
 正確には、混沌の領土を着々と広めてその力に磨きをかける魔女のすぐ隣にいるまどかを見た。

 彼女の瞳は、誰かを信じ、疑わない者のみが持てる輝きを宿していた。


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