過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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960:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/28(月) 03:06:18.71 ID:9M6RkmvRo

 才能に選ばれず。
 幸運にも選ばれず。
 彼女にも――ああいや、これは未練がましいので無しだ。

 いずれにしたって、自分は他人よりも少しだけルーン魔術に精通しているだけの凡人だ。
 他人よりも諦めが悪い、選ばれない事に慣れてしまっただけの凡人だ。


「自分が最強でありたいと、叶わぬ証明を夢見るだけの魔術師だ」


 言い捨て、立ち上がる。どうせこうなることは分かっていたのだ。
 選ばれない者には選ばれない者なりの悪足掻きの方法があることを見せ付けてやろう――

     M  T  W  O  T  F  F  T  O  I I G O I I O F
「――世界を構築する五大元素の一つ。偉大なる始まりの炎よ」

 記憶が正しければ、それは今日で三度目の詠唱だった。
 自嘲気味な笑みを浮かべがら、残ったなけなしの体力を全て魔力に練成し直す。
 創作神話の術式で稼いだ時間を使って構築した、一〇三枚のルーンで構成される魔法陣を起動させるため。

 ステイルの体から滲み出る魔力の香りに誘われて、魔女の翼が怪しく蠢いた。
 依存し、寄生し、取り込む対象を得たことで魔女は急速に学習している。
 自分には力があり、同時に自分が空腹であることを自覚したのだろう。

 とすると続く行動は――間違いない、すなわち食事だ。

  .I I N F   I I M S
「その名は炎、その役は剣――――」

 ステイルの体に蓄積された魔力が堰きを切ったように零れ始める。
 その魔力が放つ芳醇な香りに耐え切れなくなった魔女が、ステイルの体に食おうと刃と化した翼を伸ばした。


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