過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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962:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/28(月) 03:07:12.12 ID:9M6RkmvRo

「ふうぅぅっ――!!」

 残り七秒。
 息を吐き出しながら一歩前に踏み込む。ほんの少し前まで彼が居た場所に粘液の雨のような翼が突き刺さった。
 激しい振動が結界内を揺るがし、体勢を崩す。確認はしていないが、背後には大穴が穿たれていることだろう。
 一発でも貰えば今度こそあの世逝きかも知れない。
 だからどうした。既にあの世には片足以上突っ込んでいる。気に留めるまでも無いことだ。

 それに――もう終わる。

 執拗に繰り出される翼をかわし続け、地面を大きく蹴りたててステイルは魔女の真上を通過。
 手を出しかねていたもう一方の魔女の翼が、翼の形を脱ぎ捨て、津波のような勢いと共にステイルの身体に迫る。
 わずかに迷った末、ステイルは右半身を出来うる限り逸らした。

 数瞬の後、どす黒い粘液が右大腿部を炎ごと切り裂き、溢れ出る血潮と炎とを吸収していく。
 こつっ、と、辛うじて繋がっている大腿部の骨と骨とが互いにぶつかって間抜けな音を立てた。
 右足が千切れ落ちていないのは幸運としか言いようがなかった。

 残り五秒。

 右足を庇うように、左足で着地。
 位置は魔女から見て右後方。まどかとは正反対の方向だ。一息吐く間もなく背後を振り返る。
 まどかの姿は見えない。魔女の姿が陰になっているのだ。ある程度狙ったとはいえ、これも僥倖と言える。

「――――ッ!!」

 格好の良い台詞を吐く余裕すらない。
 間髪入れずに右手を突き出して、身体を覆う魔力の何割かを手のひらに練り集める。
 幾度と無く放った事のある魔術――もっとも慣れ親しんだ『炎剣』を発動させるための準備だ。

 残り四秒。

 高速で駆け巡る思考の片隅で、ステイルは時間的余裕の無さに舌打ちしかけた。
 だが舌の動きはそんな苛立ちを無視して別の形を取る。つまりは、

「炎よ、巨人に苦痛の――――ッ!!」

 炎剣を炎剣足らしめるための詠唱だ。
 もはや口を開く時間さえもどかしく、後半は口ごもるような調子で詠唱を完成させた。
 魔女狩りの王を纏った状態のためか、その剣のシルエットはどこか十字架を髣髴とさせる物だ。


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