過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
1- 20
966:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/28(月) 03:09:01.03 ID:9M6RkmvRo

 その言葉が合図となった。

 揉めるさやかと杏子、そしてそのすぐそばで座り込むキュゥべぇの前方。

 暴れる魔女とその翼に身を委ねるステイルと、目を閉じて必死に耐えるまどかのすぐそば。

 大樹にも見える結界の中心からやや逸れた場所。

 それが、嘘のように軽々と吹き飛んだ。
 過言でも虚言でもなく、文字通り、それは吹き飛んだのだ。
 巨大な竜巻が下から突き上げたかのように、あるいは土石混じりの津波がぶち当たったかのように。
 全てを飲み込む雪崩のように、何もかもを打ち砕く地割れのように。

 音の速さを超える、エネルギーの爆発にすら近い超音速。
 それすらも突破した神速とすら呼べる速さで結界を“突き破られた”結果だ。
 当然、それによってもたらされる衝撃波は生半可な物ではない。
 魔女もまどかもステイルも、杏子たちも全員まとめて薙ぎ倒すほどのエネルギーが撒き散らされるはずだった。

 だが、現実はそうならない。
 天地が逆さまになるような衝撃波の全てが、無理やり“流れを変えられて”上空に逃がされる。
 圧倒的な破壊のエネルギーが灰色と混沌の空へ流れ、その空模様に巨大な――とても巨大な大穴を穿った。
 普通に考えればありえない現象だ。これほどの現象を起こせる存在など、この世界には数えるほどしか居ない。

 にもかかわらず、全てを見通していたかのように大胆不敵に笑う者がいた。
 強引に刃を引き抜かれ、魔女の翼に寄りかかって血を流すステイルだ。
 彼はその唇を弱弱しく動かして、言葉を紡ぐ。

「待たせてくれたね……『他称最強』」

 あまりにも小さな声だ。虫の鳴き声かと思ってしまうような、そんなかすかな声だった。
 すぐそばで彼の身体を支えてやっと聞き取れるかどうか――それほどまでに静かな音だ。
 だが、その声に応える者がいる。

「待たせちまったみたいだなァ……『自称最強』」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/928.67 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice