過去ログ - 女「機械の体ですけど、一緒に過ごします?」-004-
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久方
◆p79mT8Wu64Nk
[sage saga]
2012/04/26(木) 03:20:07.33 ID:30nBpkIdo
池面「そんなこと、できるんだ……」
童ちゃんはフラフラとした体を持ち上げるように数歩歩いて、膝を落とした。
池面「! 童ちゃんっ」
童「……どうやら、相当な無理をしていたようだ。体が思うように動かない」
池面「そんな……なんとかならないの?!」
童「池面氏…私は人間ではない。この場所に住み着いた、一種の人智を超えた存在なのだ」
池面「!」
実際、思い当たる節はあった。けれど、この世界でそんな存在がありえるなんて、ありえないと思っていたから。
でも、今の彼女には信憑性がある。
というか、信じざるを得ない。
童「私はこの場所と記憶を共有し、ここで共存することで、この場所のエネルギーとともに生きていたのだ」
だから、彼女はここから出ようとしなかったのか。
池面「じゃあ、童ちゃんがそのエネルギーを返せば、なんとかなるんじゃ……」
童「無理だろう。私は過ちをおかしてしまったのだ。自分の願望のために、この場所の力を奪った。自分勝手なことをして、この場所に酷い事をしてしまった。池面氏……君の思い出の場所を、壊してしまってすまなかった。私は死を持って償うことにするよ」
池面「そんなの、駄目だ!」
池面「童ちゃん……!」
童ちゃんは小さく目を閉じた。ゆっくりと、力なく。
池面「……!」
俺の瞳から、大粒の涙がこぼれて、そして――
そこでようやく気づいた。
俺は、童ちゃんのことが、好きなのだ。
子どもとしてとか、友達としてじゃなくて。
一人の、女性として。
愛している、と。
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