過去ログ - QB「魔法少女になってよ」らんま「てめー、ぶん殴られてーか?」
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らんまマギカ4話3
◆awWwWwwWGE
[sage]
2011/10/02(日) 14:33:53.60 ID:JUrskdvQ0
「ハァー!ったく、びびらせやがって。猫じゃないなら最初に言えよ。」
らんまは腹の底からため息をもらした。
公園のベンチに大また開きでどっかりと腰をかけ、もう何も怖くないといった様子だ。
「清々しいほどの態度の変わりようだね。キミほどの猫嫌いは初めてだよ。」
「大きなお世話だ。」
ついでに言うなら、小動物がしゃべっていることにこれほど驚かないのもキュゥべえとしては珍しかった。
(武闘家というのは世間の常識から大きく外れた存在らしい。)
キュゥべえは響良牙というこれまたいろんな意味で常識外れの武闘家を思い出した。
「で、頼みってのは何だ?」
そう聞きつつ、らんまはキュゥべえが何者か推測していた。
こういう不思議な存在はおそらく呪泉郷がらみだろう。
もしかしたらこいつも『耳長イタチ溺泉』にでも浸かったのかもしれない。
だが、キュゥべえの頼みは全くらんまの予想外のものだった。
「ボクと契約して、魔法少女になってよ!」
「てめー、ぶん殴られてーか?」
脊髄反射的に、らんまは答える。
「わけが分からないよ。そんなに即答せずに少しは考えてくれても良いじゃないか。」
「うっせー、おめーなびきの客か同類だろ? オレは絶対あんなフリフリ着たりしねーからな。」
そう言いながら、らんまはあたりの様子を探った。
おそらく、こいつの正体はコスプレマニアか何かのオタクだ。
きっと、この小動物は良く出来たラジコンで近くに操縦者が隠れているに違いない。
らんまはそう結論付けた。
「ボクはなびきという人を知らないし、衣装を着てもらうことが目的ではないよ。」
キュゥべえは弁解するが、らんまはいかにも疑わしいといった表情でその顔をしかませる。
「それに、タダで魔法少女になってくれなんて言わない。魔法少女になってもらう見返りに何でもひとつだけ、
キミの願いを叶えてあげることが出来るんだ。」
『何でも叶えられる』、その言葉にらんまは反応してしまった。
叶えたい願いはある。本当にこの小動物にその願いを叶えられるとは思えないが、万が一を期待して、らんまは言ってみた。
「なんでも? それじゃ、いますぐオレを完全な男にしてみせろ。」
疑い半分…どころか9割が疑いだが、それでもらんまの表情は真剣だった。
「あー、それは無理だね。」
しかし、あっさりと否定され、らんまはガクッと力が抜けた。
「全然、『なんでも叶える』になってねーじゃねーか!」
「技術論で言えば可能だよ。でも、男になるということは魔法少女になるという条件を踏み倒す気満々じゃないか。
そうでなくても、男になったら魔法少女としての資質が大幅に下がってしまう。それじゃ、ボクとしては契約を
結ぶ意味が無いよ。」
キュゥべえは願いを叶えられない理由を説明する。
てっきり『現実的な願いで頼む』とか『整形外科に行ってくれ』とかそういう返しが来ると思っていたらんまは、
『技術論で言えば可能』という言葉に不気味さを感じた。
キュゥべえの言い分では、まるで説明に上がった悪条件さえなければ本当にらんまを男に変えてしまえるみたいではないか。
(いや、どうせハッタリだ。)
らんまは自分にそう言い聞かせ、キュゥべえの話に乗らないことにした。
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