過去ログ - QB「魔法少女になってよ」らんま「てめー、ぶん殴られてーか?」
1- 20
8:らんまマギカ1話6 ◆awWwWwwWGE[sage]
2011/09/25(日) 15:13:02.20 ID:sF5yimZr0
足元に転がる甲冑はもはや原型をとどめず、ただの鉄くずに成り果てていた。

男はあらためてあたりを見回す。

相変わらず、あたりは城壁に囲まれた中世欧州の城のようになっている。

「ボスを倒しても元にもどらないのか。」

男はわずかにいらだちを見せたが、それはまるでショッピングモールの出口が分からなくなった程度の気軽さだった。

さきほどの戦闘になど恐怖も不安も全く感じていないのだ。

「あぶないっ!魔女を相手に油断しないで!」

ふいに、どこかで聞いたような声が響いた。

あたりを振り返ると、さきほどの甲冑がぼろぼろの体をもたげて腰ぐらいまで立ち上がっている。

「しぶといっ。」

そう言った男が再び戦闘態勢に入るより早く、黄色い光線が甲冑妖怪を包んだ。

「ティロ、フィナーレ!」

こんどこそ甲冑妖怪は霧散し、まるでペンキで壁を塗り替えるようにあたりの風景が変わった。

そこは元の倉庫街だ。

男は妖怪を倒してくれた人物に礼を言おうとその姿を探す。

すると、鮮やかな金髪の少女が目に入った。

「あっ あなたは!」

「おまえは!?」

男と少女の声がかぶった。

男は茂みに隠していた自分の荷物から衣服を出して着替えていたし、少女も西洋のアンティーク人形のような格好をしている。

それゆえ以前にあったときとは全く格好が違い、互いに近づくまで気づかなかった。

しかし、近くで見ればはっきり分かる。

それほど互いに印象的だったのだ。

少女は先日、小豚状態だった男をもてなしてくれたその少女だった。

*********************

「俺の名前は響良牙、前にも言ったように武闘家だ。」

「私は巴マミ、信じられないかも知れませんが魔法少女です。」

闇夜の中、二人は改めて自己紹介をした。

「僕の名前はキュゥべえ、魔法少女を作り、サポートするのが仕事さ。」

そして、巴マミの肩の上に乗った小動物も自己紹介をする。

動物がしゃべっていることに若干の違和感を感じながらも、良牙は話を続けた。

「しかし、いったいあの化け物はなんだったんだ?バラバラに砕いてやったはずなのに蘇りやがった。」

獅子咆哮弾で決着がつかなかったことが、良牙にとっては少々屈辱だった。

彼はそれだけ戦いや強さにプライドを持つ人間だった。

「あれは魔女と言って、人々に災いをもたらすものです。魔法少女はあの魔女を倒すことが使命なんです。」

「魔女は魔法じゃないと倒しにくいようになっているからね。僕にとっては魔法を使わずに魔女を倒せる君の存在の方がおどろきだよ。」

マミとキュゥべえがそれぞれ問いに答える。

「魔法じゃないと倒しにくい?ちょっとキュゥべえそれはわたしも初耳よ。」

マミは責めるように言ったが、あまり真剣に怒っている様子ではない。

気心の知れた相手だからできる軽口なのだろう。

「いや、俺が倒したわけじゃない。」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
928Res/1144.17 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice