過去ログ - 魔法少女「記憶のない私と白い不思議生物」
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33: ◆J0gg2XogfY[saga]
2011/10/05(水) 18:20:41.12 ID:420F34qHo
まどか「この家でいいのよね?」

時刻はもう夕暮れ時、私はとあるアパートの前に立っていた。
手の中のメモには確かにここの住所と、部屋番号が書いてある。
しかしここが自分の家だと言っても、記憶がない私には知らない誰かの家を訪ねるのと変わらない。
少し緊張して、年代モノらしい、やけに立派なつくりのドアを開く。
中はホールになっていて、少し薄暗かった。
廊下の奥には、各部屋へのドアがずらりと続いている。
部屋番号からすると2階のはずだ。
ホールの隅にある階段は、アパートにしてはこれもやけに立派だった。
昔の時代が舞台のテレビドラマとかで、そこそこ裕福なお屋敷とかで出てきそうな感じだ。
建物の外見も、古くはあったけどしっかりしていたし、案外昔はそういう場所だったのかもしれない。
そして2階に上がった廊下の突き当りが、メモの示す部屋だった。

まどか「暁美……って、確かに書いてあるわね」

下の名前までは書いていなかったが、こんな苗字がそうあちこちにあるとも思えない。
記憶がないんだから確証はないけど、珍しい苗字だろうというのは何となくわかる。
無意識に唾を飲み込むと、意を決してノブを回す。

がちん、と硬い感触がした。

……まあ、鍵はかかってるのが当然だろう。
うっかり忘れていたわけではない。決して。
合鍵だといって渡された鍵を差し込むと、錠の外れる音がして、そのことにほっとする。
そして改めてノブを回すと、今度こそ、私は私の家に足を踏み入れた。


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