過去ログ - 駿河「これも、また、戯言なのだろう」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/10/01(土) 23:56:28.19 ID:6uaDhiJBo
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 神原駿河といえば学校内で知らない生徒はほとんといないほどの抜きん出た有名人であ

るそうなのだが、勿論僕は知らなかった。僕は有名人とか、天才とかそういうのには全く

興味がなく、名前を聞いたところで、実際に会ってみないと、(人によっては会ってみて

も。)すぐさま忘れ去ってしまうのだ。

 また、彼女の場合、興味どころか、僕には関係のないだろう位置にいた。神原駿河は僕

や翼ちゃんやひたぎちゃんよりも一つ下、二年生であり、翼ちゃんやひたぎちゃんのよう

に、勉学を極めているわけでもなかった。彼女が極めている道は、スポーツの道なのだ。

神原駿河はバスケットボール部のエースなのである。先ほど彼女を有名人と表したのだが、

ニュアンス的にはスターと表現した方が、伝わりやすいかもしれない。彼女は一年生、入

学したての頃から、あっという間にレギュラー入りし、それはそれだけなら入部した先が

名も知れぬ、弱小というのも恥ずかしい万年一回戦負け女子バスケットボール部だったか

らと理由付けが可能かもしれないが、その後の最初の公式戦から、その名も知れぬ、弱小

というのも恥ずかしい万年一回戦負け女子バスケットボール部を、いきなり全国大会にま

で導いた、怪物的な伝説を築き上げてしまったとなれば、これはスター扱いされない方が

おかしいというものだ。一体なんて事をしてくれるんだと逆に責めたくなってしまうくら

い、まさに『築き上げてしまった』というほどの、それは、唐突な伝説だった。近隣の高

校の男子バスケットボール部から練習試合の申し込みが、冗談でなくあるくらいの強豪チ

ームに、我が校の女子バスケットボール部は、勃発的に成り上がってしまったらしい――

たった一人の女生徒の力によって。



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