過去ログ - 駿河「これも、また、戯言なのだろう」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/10/01(土) 23:57:33.37 ID:6uaDhiJBo
 と、そう思っていた。

 僕はそう思い込んでいた。

 可能性?まったく、とんだ戯言だ。十万回に一度しか起きないことは一回目に起き、一

番最初に会った相手は百万人に一人の逸材で、確率は低いほどに起きやすい。奇跡なんて

一山いくらの二級品だと言い放った請負人の前にいる今の状況からじゃ考えられないこと

だ。

 そんな思い違いが解消されたのは、神原駿河に出会ったのは、五月も末に差し掛かり、

衣替えの六月を目の前にした頃のことである――僕の首元に刻まれた二つの小さな穴が、

伸ばした襟足で、ぎりぎり隠れるか隠れないかくらいになり、この分なら、半月ほど絆創

膏でも貼っておけばよさそうだと、胸を撫で下ろしていた頃のことだった。

 足音を高らかに響かせながら近付いてきて、僕に話しかけてきた神原駿河は、そのとき

から既に、左手を真っ白い包帯でぐるぐるに巻いていて――



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