過去ログ - 駿河「これも、また、戯言なのだろう」
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19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/10/02(日) 00:02:19.72 ID:5OuzHKOCo
「じつはその……ね……」

 と、そんな風に。

 本当のことを言おうか、いつものように嘘を吐こうか迷いながら言いさしたところで、

背後から、音が聞こえた。

 音。

 足音、である。

 細かく刻まれたリズムが小気味いい、『たっ、たっ、たっ』と、走っているというより

は、一歩ずつ跳ねているような、一歩ずつ跳んでいるような――そんな足音。

 もう、後ろを振り向いて確認するまでもなかった。

 僕の今抱えている二つの現実的な悩みの、より困難な方。

 撒いたと思っていたのに。

 たっ、たっ、たっ、たっ、たっ、たっ。

 どんどん近付いてくる足音。

 確認するまでもないとはいえ――

 しかし、振り向かないわけにはいかない。

 たんっ!

 そして、僕が仕方なく、嫌々、うんざりしながら、心底鬱陶しく、どうしようもなく――

しかし、迷いなく振り向いたとき――彼女は跳んでいた。

 彼女は。

 神原駿河は、跳んでいた。



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