803:ブラジャーの人[saga]
2012/02/12(日) 01:17:48.20 ID:h0lXQdzB0
「あなた、怒ってない?ってミサカはミサカは恐る恐る訊いてみる」
「あァ?俺を怒らせるよォなことしたンか」
「へ?だから、ミサカがまたアレだからコレしてくれたんでしょ?」
「悪いが俺は精神系能力者じゃねェンだよ。普通に説明してくれませンかねェ」
昇降口に向かって歩くつかの間に、心配していたことを確認する打ち止め。一方通行の声音や表情は、いつもとなんら変わりないように思えるが…
「ヤキモチ焼いてもらえないと、それはそれでつまらなかったり…」
「……自分でも不思議なンだが…」
「?」
「だって大丈夫だろ?」
「………うん」
二人の心は、細かなひだの隙間までも、染み込み、混ざり合うように埋め合わさっている。
ともに暮らす何気ない日々の生活の中、折にふれてそれを実感していた。
薄い膜でも、積み重なれば厚みを増していく。二人は成長しているのだ。
「この後の予定を考えると、車の方が都合がよかったンだがな。まァ大した用事でもないから、一度帰ってから出掛けよォぜ」
「あ、忘れてた。服取りに行くの今日だっけ、ってミサカはミサカはデートを忘れていたことを申し訳なく思ってみたり…。晩御飯の献立まで考えちゃってたよ」
「それは明日にしとけ。ちなみに何食わしてくれる気だよ」
「レンコン入りハンバーグ〜」
一本の傘の下に、中睦まじく寄り添う一方通行と打ち止め。その姿はきっと、ポルシェで迎えに来てもらうよりも効果抜群であろう。
「ミサカが傘持つ、ってミサカはミサカは両手がふさがるあなたを気遣ってみたり」
「背が足りねェよ。俺が頭ぶつけるだろォが」
「ヒトが気にしていることをー!ってミサカはミサカはハイヒール履けば問題ないと見栄を張ってみる!」
「虚しい見栄を張り方だな」
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