過去ログ - とある未来の通行止め その2
1- 20
854:ブラジャーの人[saga]
2012/02/22(水) 01:08:55.80 ID:Ek3cHGzx0

食事も風呂も済ませ、順番は違えど、三択はすべて終わらせた。寝間着に着がえ、あとは寝るだけだ。
打ち止めは就寝前のひと時を、ブランカと共に過ごしていた。というよりも、眠そうな犬を無理やりつき合わせていた。

「ほらもう一回立って。正確に測れないよ」
「くぅーん」

リビングの絨毯の上は、裁縫道具と布切れが散らかっている。実はソファには同じく寝間着の一方通行もいるが、彼はまるで蚊帳の外である。

「オイ、もう寝むそうだし、続きは明日にしてやれ」

けして、寂しいとか、悔しいからとかじゃない。本当にブランカが迷惑そうにしていたので。

「ぶー、早く作らないと、もうすぐ梅雨になっちゃうのに、ってミサカはミサカはブラちゃんのために頑張ってると言い訳してみる」

ここ最近、打ち止めが鋭意製作中なもの、それは愛犬の雨合羽である。
ペットショップや通販で買ったものは、サイズが合わなかったり、歩いているうちにずれてしまって、大して効果を発揮しなかった。
濡れて泥だらけになった犬を拭くのは大変だし、いちいち<一方通行>でキレイにするのもなぁ…、と思い、何着か買ったが、どれもイマイチだった。

雨でも散歩したがるブランカのため、こうなったら自分で最高の雨合羽を縫ってやろうとしている。特殊な耐水性の布を、試行錯誤してブランカ専用合羽に仕立て上げているのだ。
買ってしまった既製品は、糸を解いてお手本にされ、本懐を遂げた。

「いつ出来るンだよ、その調子じゃ」
「う…、それでも、一日でも早く完成すればブラちゃんが濡れる日が減るし」
「今年の梅雨は、平年より遅がけだそォだ。あンまり焦らなくても大丈夫かもな」

大嘘だ。梅雨の都合なんて本当は気にしてないので知らない。

「ほんと?良かったぁ。じゃあタキツボ達の結婚式も大丈夫かもね、ってミサカはミサカは晴れのジューンブライドを期待してみる」
「さァな…」

ぱぁっ、と輝く打ち止めの笑顔に、少しだけ良心が痛む。明日は梅雨の到来予想を調べてみようか。

今月、浜面と滝壺の結婚式がある。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/661.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice