865:ブラジャーの人[saga]
2012/02/24(金) 23:28:25.91 ID:BkRFYL8S0
一方通行は、目立たない後ろの方に座りたかったのだが、打ち止めは強引に彼の手を引っ張って、かなり前列の特等席に腰を降ろす羽目になった。
さらに、隣にはノコノコとついてきた上条がいる。教会の椅子は一人ずつにスペースが区切られておらず、やけに隣が近く感じられた。
「オイ、どォしてオマエが横にいるンだよ」
「大役を果たすインデックスが心配で…。アイツ、上手くできるかなぁ」
「図々しく隣に座った意味を訊いてンだがな、俺は。それに完全記憶能力を持ったシスターの心配は必要ないンじゃねェのか」
「つまづいて転ばないか、手を滑らせて聖書を浜面の足に落としゃしないか…、そういう心配なのです」
「……」
確かに。一方通行を挟んで会話を聞いていた打ち止めも、インデックスには失礼だが、しきりに頷いていた。
ギィ、と背後の扉が開き、ざわついていた場内が静かになった。衣擦れの音とともに、修道服のシスターが中央の通路を進む。
上条は口を一文字に結び、「頑張れよ」と、目で語りかける。両の手を、胸の前で握りしめて。インデックスは呆れたように苦笑を返した。
(カミジョウ、まるで運動会のお父さんみたい、ってミサカはミサカは過保護だと判断してみたり)
祭壇に辿りつたインデックスが、堂々とした口調で告げる。
「これより、浜面仕上と滝壺理后の結婚式を取り行います。それでは、新郎、新婦の入場です。みなさまはお立ちになって、二人をお出迎えください」
パイプオルガンの音楽が鳴らされ、一同は立って後ろを向く。狭い場所で、足の悪い一方通行が苦労しやしないかと、打ち止めが手を差し伸べた。
「大丈ォ夫だ」
「いつでも肩貸すからね」
小声で会話を交わしていたが、打ち止めの注意はすぐに逸れた。浜面達が腕を組んでしずしずと入場してきたからだ。
1002Res/661.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。