過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」 Re:2
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52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[saga]
2011/11/13(日) 23:24:04.27 ID:dPbISZMxo
夜子「そうする。今日は、その……うん、ありがとう、和久津」

 僕は夜子を玄関へ誘導しながらそれに答える。

智「ううん、結局力になれなかったし……」

夜子「そんなことない」

 先を行く夜子は立ち止まる。
 そして、振り返って僕を見上げた。

夜子「そんなこと、ない」

 僕はその行動に面食らった。
 そんなことない、なんて二度も言われるなんて思ってもみなかったから。
 数秒きょとんとしたあと、微笑を浮かべて夜子に返す。

智「そう言ってもらえると幸いだよ」

 ぽんぽん、と軽くベレー帽の上から夜子を撫でる。
 もう一度笑顔。今度は微笑みではなく、満面で。
 それを見た後、夜子も僅かに笑みを見せた。

夜子「アイツも、和久津も。……二人とも違うのに、二人とも似てる」

 アイツ?僕が似てるって、誰と、何が?
 そう問いかけようとした瞬間に、夜子は『それじゃあね』と素早く靴をつっかけて、玄関から飛び出した。
 少しばかり唖然としたけれど、僕は既に夜子の去った玄関を見て、心の中で『また今度』と呟いた。



 ――第三の選択肢。
 僕が選んだ、実現できるかもわからない、その選択肢は。
 『戦争が起きてから戦争を止める』、そんな無謀な選択。


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