過去ログ - まどか「無限の中のひとつの奇跡」
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2: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/03(月) 23:39:22.84 ID:mLlw9Zym0
――私は何故、こんな所に居るんだろう――
稲妻、少し間を置いて雷鳴。背にした鉄柵が闇に浮かび上がる。
――あれは一体、なんなんだろう――
また、空が光る。
目の前の闇に浮かび上がるのは、ゆっくりとこちらに歩を進める、白い巨人達の群れ。
この世界から拒絶された存在であることを示すかのように、全身が曖昧にぼやけたそれらは
聖職者を模したが如き姿形の、そして心無き、無垢にして無情な存在。
『聖者の行進』、そんなフレーズが頭に浮かぶ。
背後に聳える建物は、見滝原中学校。私の退路を断っているのは、その校門。
私は明日、半年間の入院生活を終え、10日後には、ここに転校してくる。
――筈だった。
――私はこれから、どうなるのだろう――
纏まらない思考。断片的な知識が、頭の中で渦を巻く。
混乱の中しかし、何故か恐怖だけは感じることがなく
代わりに激しい哀切の情念が、私の心を侵食し始めた。
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