過去ログ - まどか「無限の中のひとつの奇跡」
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27: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/04(火) 02:49:16.95 ID:oDJk8X6O0
不意に、背後で気配がした。
振り向きたくない、でも振り向かないといけない。相反する本能の啓示。
目を閉じて振り返り、恐怖を振り払って瞼を開けると

「――へぁ?」

そこに居たのは、今にもあたしに掴み掛かろうとしている、モザイクだらけの白い巨人。
認識が麻痺し、鼓動が跳ね回る。巨大な両手が、私の頭を捉えようとして


――バァン――


巨人の頭が、破裂した。



「出来れば、何も知らずに居て欲しかったけれど」

――え?この声って――

振り向こうとしたあたしを取り囲むように、幾つもの白い羽毛が舞い上がり
時計回りに渦を描いて、ドーム状の力場のようなものを構成する。
そしてそれは倒れゆく巨人の背後から放たれた、白い紐のような光線を、完全に防いでくれていた。

「好ましくない運命程、同じ道をなぞるものね。
 でもあいつがここに居ないから、まだ挽回は可能かしら」

頽れ伏した巨人の死体は、蜃気楼の様に溶けて消え
入れ替わるようにその場に一人の少女が降ってきて
左手で髪をふわりと払い、地に7本の矢を突き立て
迫り来る7体の巨人と対峙する。

漆黒の髪と、弓と、矢と、翼。
制服のようだけど、何の制服かと聞かれても困る、白と黒の服装。
外見だけなら、巨人達が聖者で、少女が悪魔に見えなくも無い。
けれど実際には、少なくとも今のあたしにとってはその逆で――

現実離れした展開に思考がついていけない中
あたしはただ反射的に彼女に声を掛けていた。


「未亡人――何その格好?」


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