274: ◆7oWiJj9WF6[age]
2011/12/28(水) 00:03:37.40 ID:/2BVNMy10
【木工具店】
ぽぷら「ふわぁ〜……。木の良い匂いがするよ〜」
朋也「(……良い匂い?)」
シンナーの香りや鉄の匂いの混じったこの臭いに、俺はそうは評価できない。
山田「岡崎さん、岡崎さん」
朋也「ん?」
山田「これを両手で持ってください」
俺の服の裾を持ちながら、山田は木材の光沢付けに使う薬剤を俺に手渡してくる。
水に溶かして使う粉末タイプのようで、ずっしりとした重みを片手に感じる。
山田「それで、もう片方の手にはこれです」
朋也「……ティッシュ?」
そのまま待っててください、と残し、山田は向かいの商品棚の陰に入ってしまった。
朋也「……?」
山田「あぁっ!ともちゃん!何をやっているのですか!」
朋也「……は?」
そして、小走りになってこちらへ来たかと思うとわけのわからないことを話しだす。
山田「薬はやめなさいってあれほど言ったのに……!私はともちゃんをそんな風に育てた覚えは……!」
朋也「……」
山田「でも、大丈夫。私はともちゃんを見捨てたりしませんから……っ!」
朋也「はぁ……」
山田「あ〜!商品を棚に戻さないでください!」
朋也「何をやっているんだお前は」
山田「悲劇のお母さんごっこです!」
朋也「……」
予想の斜め上を行く返答だった!
山田「山田はいつも子供役なのでたまには親の気分も味わってみたかったのです!」
目からほんのりと涙が浮かんでいるのは、どうやら目薬を細工して来た結果らしい。
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