895: ◆tsGpSwX8mo[saga sage]
2012/01/04(水) 01:12:22.49 ID:oXCf2Zm80
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「さやか」
愛嬌があるが、どこか無感情な声
その声にさやかの遠のいていた意識が次第に引き戻される
「目が、覚めたかい」
ゆっくりと目を開けた先、そこには瓦礫の上に座り込み、倒れた自分を見降ろすキュウべぇの姿があった
今まで所在が掴めて居なかったキュウべえが、当然のようにここにいる
それにさやかはぼんやりとした意識のまま、首を傾げた
さやか「キュウ……べぇ?」
キュウべえ「久しぶりだね。さやか」
ぼんやりと声を掛けるさやかにキュウべえはコクリと首を縦に振った
よろよろと軋む体を起こさせ、さやかは滲む意識をハッキリとさせていく
さやか「あたし……」
キュウべえ「君は今まで意識を失っていたんだ。無理しない方がいい」
キュウべえはそう言ったが、さやかはその声を無視し、投げ出されていた自分の身をゆっくりと起こした
そして滲む意識が明瞭になった時、真っ先にさやかの意識に浮かんだ事は
何故自分が意識を失ったかという疑問でもなく、何故キュウべえが突然現れたかという疑問でもなく
強い、まどかへの殺意だった
さやか「……まどかは?まどかはどこ!?」
キョロキョロと辺りを見渡し、まどかを探す
そんなさやかにキュウべえは、衝撃波にガラスの跡形もなくなった窓に目を向けて、言った
キュウべえ「まどかなら、あそこだよ」
今の、まどかの所在を
さやかもキュウべえの視線の先に目を移す
さやか「何……あれ……」
さやかの移す視界の先
そこには、天を仰ぐように二本の手の様なものを掲げる
見上げる程に巨大な『何か』がそこにあった
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