過去ログ - 杏子「あいつが、居なくなった世界で」
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104: ◆h4ONJivhRc[saga]
2011/10/26(水) 22:40:42.79 ID:vGfApbVA0

「それは、ですが……」

「あなたならわかるはずよ……さやかの友人である、あなたには」

おろおろと彷徨っていた仁美の視線が、しっかりと私を見詰める。
ある意味これは、呪いの言葉だった。
幸せになるという義務を身勝手に押し付ける、強引な言葉。

けれど、それを理解した上で告げられる程度には、私は薄情だった。
それほど関わりの無いクラスメイトの心情を無視して、友人の意思を優先させる程度には。

「それじゃあ、また。私は用事があるから」

「……はい」

納得しかねているようだったが、仕方のないことだろう。

けれど、いつかは割り切らなければいけないとは思う。

死者を必要以上に気にかけることこそ、死者にとって苦痛であろうから。

生者を愛しているのなら、尚更だ。



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