過去ログ - 杏子「あいつが、居なくなった世界で」
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◆h4ONJivhRc
[saga]
2011/11/20(日) 22:40:00.31 ID:IhTdXqr+0
「『あたしのための契約だけはさせるな』……彼女は、そう言ったのさ」
「そんな……!!」
それが杏子の最期の願いだった。
もちろんキュゥべえに、それを守る義務は無い。
しかし。
「それに、円環の理に導かれてしまった以上、僕にはどうしようもない」
インキュベーターは知っていた。
円環の理に導かれた魔法少女は、どうやっても戻らないことを。
理由も知っていた。
神に等しい資質を持つ『まどか』による願いを、他の凡百が覆せるわけがない、ということを。
ゆまはただ、項垂れる。
少女の嘆きは声にもならず響きもせず、ただ、世界に掻き消された。
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