過去ログ - 杏子「あいつが、居なくなった世界で」
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◆h4ONJivhRc
[saga]
2011/10/22(土) 19:53:52.29 ID:cc4KrkVu0
「まさか、『仕方ねーな、どうにかしてやるよ』なんて言うとでも思ってたのか?」
嘲るような声で杏子は返答する。
けれど、マミには自分が嘲られているように思えなくて。
杏子が、杏子自身を嘲っているように見えて。
「そんな面倒くせーこと勝手にやってな、あたしは意味もない馴れ合いなんてしねーよ」
マミは佐倉さん、と声をかけようとして、やめた。
本当は、面倒くさいなんて思っていないはずなのに。
『馴れ合い』だなんて、自分で言っていて辛いはずなのに。
きっと、もう繰り返したくないのだ。
一度希望を見出してしまって、その上で杏子は失ってしまった。
また失うくらいなら、深く関わらなければいい。
希望なんて最初から無ければ、絶望する必要は無いのだから。
「……私は、信じてるから」
それでも、ただ一言。
「佐倉さんが優しい子だっていうことは知ってるから……ね」
それだけは、言いたかった。
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