過去ログ - 杏子「あいつが、居なくなった世界で」
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82: ◆h4ONJivhRc[saga]
2011/10/22(土) 19:55:04.93 ID:cc4KrkVu0


沈黙の後、マミはリビングから出て行った。
結局、自分は何をしているんだろう。
これではあの夢の、あの時と同じじゃないか。

けれど、だからこそ踏み出せなかった。
あの時と異なる選択をすることで、今があの時と同じだと言ってしまうようで。
それだけで、また失いそうで。
結局、自分の本心は伝えられなかった。

「うぜぇ……」

誰も居ない部屋で呟く言葉は、誰に向けたものか。
そんなことは、わかりきっている。

「……うざってぇ」

踏み出す勇気は無くて。
そのくせ、温もりだけは求めて。
どれだけ傲慢なんだ、と自嘲することしかできなかった。

思考を放棄し、心も体も眠りにつかせる。
考えれば考えるほど、悪い方に向かっていく気がしたから。










ただ、夜の間、心地良い温もりに包まれていたことを感じていた。



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