過去ログ - ほむほむ「ホギェェッェェェェェエエ!!!」
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336:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県)[sage]
2011/10/28(金) 21:07:51.96 ID:FmdDU0W4o


《Aコーナーより――ほむほむ! ほむほむの入場です!》

決闘当日。親ほむの姿は、コロシホムと名付けられた、その会場の只中にあった。
ほむほむサイズに合わせられた、小さな闘技場である。
今、親ほむが居るのは石畳のバトルフィールドであり、その周囲を囲うような10メートルほどの場外は芝生。
その周囲を覆うように、観客の人間たちが座っていて、その下部のトンネルが、親ほむの通ってきた出入り口である。
ほむほむたちは知らないことだが、小さなほむほむたちが見えない観客のために、至るところにカメラが仕掛けられており
上部のモニターに大きく映し出される仕組みとなっている。

小さな会場は満員御礼。
ほむほむもまだ見ぬ対戦相手を待つのみである。

《Bコーナーより――これは珍しい! 白まど! 希少種である白まどの入場です!》

親ほむ「マドカァ……?」

アナウンスを受け、ほむほむの正面のトンネルから、よろよろと現れたのは――
――あろうことか、あの白まどだったのだ。
親ほむと番を成し、仔りぼほむを含めた何匹かの仔ほむの誕生に立会い、親ほむと一緒に育てた――あの白まどだったのだ。

感動の再会――どころではない、奇跡である。
しかし、互いに生死もわからなかった番に出会えたというのに、言葉はなく、笑顔もなく、どころか、凍り付いてさえいた。

2匹とも、ほむほむサイズに合わせた、小さな剣と盾を持っている……そこまでは同じ。
しかし、気合充分、意気軒昂としていた親ほむに比べ、白まどの姿は――
天使のようだった羽は片方が折れ曲がり、天女のようなドレスは無惨に引き裂かれ、そして、謎の白い液体に塗れていた。
その上――

《おおっと! この白まど! どうやら妊娠しているようです!》

胎児の存在を示すように、お腹が膨れ上がっていたのである。
混乱の極みに陥って、呆けたような声を出すだけの親ほむ。

親ほむ「ホ……ホァ……?」

白まど「ホ、ホミュラチャァン……」ポロポロ

すすり泣く白まどの声に、我に返った親ほむの脳裏に、閃くものがあった。
もし、白まども自分と同じような檻で、同じような生活を強いられていたとするなら……

(時折ストレス解消用のまどエキスが振りかけられては、一部のほむまどたちは現実を忘れようとするかのように交尾に耽る。)
(ただ、一部の賢いほむほむたちは、身重になって運動能力が損なわれるのを恐れ、まどまどに手を出すことをどうにか自制している。)

親ほむもそのうちの一匹だったが、もし、自分の群の一員ではない、美しい白まどがいたとすれば――自制できずに襲い掛かってしまっても不思議ではない。


《準備が整ったようです! では、試合開始!!》

親ほむ「ホァ……ホムゥゥゥゥゥ……」ポロポロ
白まど「マド……マリョォォォォ……」ポロポロ

磨き上げられた石畳の上に、2匹のほむまどの涙がいくつもこぼれ落ちていった。




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