過去ログ - 撫子「これも、また、戯言なんだよね」
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/10/17(月) 00:36:00.55 ID:ebFiQ8E3o
「まあ、とりあえず行くとしようではないか」

「ん……ああ、そうだね」

 そうだ、そんな戯言みたいな感傷に浸っている場合じゃない。

 今日は、仕事で待ち合わせたのだ。

 気を取り直して、僕が案内しようと一歩前に出たのだが、神原駿河は、なぜか僕の左側

に回り込み、そしてまたなぜか僕の開いていた左手に、自分の右手を繋いだ。『手を繋い

だ』というよりは、『指を絡めた』という感じ。五指がそれぞれに、もつれあって、そし

てそのまま、僕の腕に自分の身体をぎゅっと、まるで抱きつくかのように、隙間なく密着

させてくる。身長差の問題で、ちょうど僕の肘辺りに、神経が集中したその敏感な部位に

胸が来て、マッシュポテトのような感触を伝わせてくる。

「いや、阿良々木先輩。それを言うなら、マシュマロのような感触だろう」

「え!?僕、今の馬鹿みたいな、っていうか、馬鹿丸出しなモノローグ、声に出してたの?」

「ああ、そうじゃないそうじゃない。安心してくれ、テレパシーで伝わってきただけだ」

「そっちの方がより問題じゃないのか?」

この辺りのご近所さん、全員に聞こえているってことになる。

「ふふふ。まあ見せつけてやればいいではないか。私も最早、スキャンダルを気にする身

ではなくなったわけだしな」

「……まあ、いいか。きみがそれでいいんなら」

 他人の評価なんて、僕は気にしない。

 他人に何を言われようとも、全く気にならない。

 自分で一番嫌っているのだから。



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