過去ログ - 撫子「これも、また、戯言なんだよね」
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27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/10/17(月) 00:39:39.42 ID:ebFiQ8E3o
「はあ」

 と、そこで神原駿河は、大仰にため息をついた。

「でも、それもこれも、全部無駄だったのだな……なんだ、デートではなかったのか。と

ても楽しみにしていたのに。一人ではしゃいでしまって、まるで馬鹿みたいだ。赤っ恥と

はこのことだ。身に余る夢を見てしまった。高貴な阿良々木先輩が愚かなる私ごときとデ

ートしてくれるはずがないことくらい、考えたらわかりそうなものなのに、思い上がりも

甚だしい……。私の勝手な勘違いで迷惑をかけてしまって、申し訳なかった。じゃあ、携

帯電話と重箱は、荷物になるから、その辺に捨てていこう。阿良々木先輩、ちょっと待っ

ててくれ、すぐにジャージに着替えてくるから」

「デートでした!」

 僕は折れた。そりゃ、もう、ぽっきりと。

「今日はきみとデートでした!今思い出したよ、うん、僕もまた、とてもとても楽しみし

ていたんだ!だから携帯と重箱はそのまま持って、ジャージに着替えなくてもいいから、

その今にも泣きそうな顔をやめてくれ!」

「本当か?」

 ぱあっと、今までの態度が嘘だったかのように表情を輝かせる神原駿河だった。

 しかし、僕と違ってこの子は素直なので、この屈託なき純粋なとてつもなく可愛い笑顔

が嘘ではないことが僕にはわかる。

 あの青色のように純粋な、『本物』の笑顔。

「嬉しいぞ。阿良々木先輩はとても優しいな」

「ああ、きみのそんな笑顔が見れて、僕も嬉しいよ」



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